甲斐駒ヶ岳 ー南アルプスの貴公子ー


秋晴れに輝く甲斐駒ヶ岳
標高2967mの甲斐駒ヶ岳は山梨県と長野県の境、南アルプスの北端に位置します。全国に20以上ある駒ヶ岳の中で一番の高さを誇る。

アプローチの長さ、登りの急峻さから敬遠されがちであったが、1980年に南アルプス林道にバスが入るようになり、北沢峠からのコースが一般化しました。

山体は白い花崗岩から成り、白く輝かせた岩肌は荒あらしく勇雄しい、女性的なやさしさのある山容の仙丈ケ岳とは対照的な山で南アルプスの貴公子とも呼ばれています。

古くから信仰の山として栄え、山道にも祠や石碑、不動尊、仏像などが置かれている。また山頂には駒ヶ岳神社があり。広々とした山頂からの眺望は360度の絶景が得られます。



・コースと所要時間
北沢峠-(1時間40分)-双児山-(50分)-駒津峰-(1時間40分)-甲斐駒ヶ岳 山頂
甲斐駒ヶ岳 山頂-(1時間)- 駒津峰-(1時間10分)-仙水峠-(1時間10分)-北沢峠
北沢峠より登り約4時間10分、下り約3時間20分の行程となります。


北沢峠行き伊那市長谷戸台バス乗り場
仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳の登山玄関口、南アルプス林道、信州側の伊那市長谷戸台バス乗り場。無料の駐車場、仮眠室、近くに日帰り温泉施設もあります。


無料の駐車場

伊那市長谷南アルプス林道バス


戸台川に沿ってバスは進む
バスは北沢峠へ約1時間の所要時間です。
戸台から戸台川に沿って進み、

南アルプス林道を標高2000mの北沢峠まで登って行きます。

途中よりは鋸岳や甲斐駒ケ岳の勇姿もバスの車窓より眺める事が出来ます。


バスにしばらく揺られると前方に鋸岳や甲斐駒ケ岳が勇姿を表す


バスの車窓より中心にそびえる白い花崗岩の山、甲斐駒ヶ岳と右手前双児山と間に駒津峰を望む


バスの車窓より鋸岳を正面に見る

北沢峠長衛荘
第1日目は北沢峠の山小屋に宿泊し
翌日早朝の出発となります。


翌日長衛荘横の広河原よりの登山道よりの入山となります。

北沢峠のシラビソなどの樹林帯につづく登山道を進み、しばらくジグザグの急登を続ける。森林限界を越えると小さな双児山の頂上に出る。


シラビソの森林帯


双児山の山頂看板
北沢峠より約1時間40分の登りで、標高2649mの双児山山頂に到着。

出発してすぐの序盤に双児山まで標高差約650mを一気に登りますので、最初からハイピッチは避けて、ゆっくり目のペースで行くのが、無駄な疲れを残さずに登るコツです。


双児山からハイマツ帯へ

駒津峰に登る途中のハイマツ帯


ガスが立ちこめる駒津峰への中盤の行程を行く

標高2750mの駒津峰に到着。

到着したときはあいにく甲斐駒ケ岳はガスの中に隠れていて、何も見えない状態でしたが、しばらく休憩していると、奇跡的にもガスが晴れて来て、

これ以上ない素晴らしい甲斐駒ケ岳が姿を現して来ました。


駒津峰から奇跡的にも甲斐駒ヶ岳の全景を撮る


駒津峰より摩利支天を望む


ガスが切れ始め北岳から間ノ岳が姿を見せ始める、手前にはアサヨ峰から栗沢山を望む

ハイマツ帯の尾根をゆるやかに下って、登り返すと前衛の駒津峰に立つ、ここまでくると甲斐駒ヶ岳の山頂部が目の前に迫り、後ろを振り向くと仙丈がゆったり雄大にそびえ、その左に目を移すと北岳から間の岳がくっきりそびえ立っている。しばし時が経つのを忘れます。

さらに駒津峰よりいったん少し下り、そこからは甲斐駒ケ岳山頂へは花崗岩の大きな岩場を行く直登ルートと迂回ルートに分かれます。


甲斐駒ケ岳山頂直下より撮影
甲斐駒ケ岳直登ルートを間下より望む。

山頂まで花崗岩の岩場を一直線に登る。体力と岩場の登攀技術に自信のある方はチャレンジして下さい。

しかし岩場が濡れている場合は滑りますので、慎重な行動を。


直登コースを行く人達
尾根道をたどり、巨岩の六方石を過ぎると、直登コースと東面へ回り込む巻き込みコースが分岐する。

巻き込みコースを選択して登ってゆくと、白く輝く花崗岩の岩肌がくっきり目に飛び込んで来る、そのまま岩盤や白砂の斜面を登ってゆくと甲斐駒ヶ岳の山頂に達する。


甲斐駒ケ岳山頂へ登る途中、振り返ると手前に駒津峰、その奥に仙丈ヶ岳を望む


迂回コースより花崗岩の山頂付近を望む

迂回コースより山頂を望む


甲斐駒ケ岳山頂の祠
甲斐駒ケ岳山頂に到着。

標高2967mの
山頂からは南アルプスの長大な山並をはじめ八ヶ岳、北アルプスの壮大な眺望が堪能出来る。山頂には神社が祀られている。下りは駒津峰まで来た道を戻り、そこから南のアサヨ峰、栗沢山と結ぶ稜線を急下降して、摩利支天(まりしてん)を見上げる仙水峠に下り立つ。


記・写真 山田 輝


山頂にくつろぐ人たち

山頂の道標(バックに北岳を望む)


山頂より雄大な仙丈ヶ岳を望む


山頂より北岳から間ノ岳など長大な南アルプスを望む


山頂より甲府盆地を望む


山頂より下山に入る
甲斐駒ケ岳山頂にて絶景を楽しみ、休憩をして体力の回復を少し感じ、これから一気に下山に入る。

下山途中も甲斐駒ケ岳や摩利支天の素晴らしい光景も望めますので、それも楽しみながら下山してゆく。


紅葉に映える甲斐駒ヶ岳
駒津峰よりの下山途中紅葉に映える甲斐駒ヶ岳。

仙水峠へ下る途中、真横に立ちはだかる甲斐駒ケ岳や摩利支天は圧倒的な迫力で、


山の大きさ、ダイナミックな山容に感嘆し、畏敬さえ感じる。


下山途中摩利支天を撮る

下山途中栗沢山とアサヨ峰を望む

仙水峠からは西に進路を変えて北沢に沿ってくだり、仙水小屋、北沢長衛小屋を経て北沢峠に戻る。

仙水峠指標


北沢長衛小屋
北沢長衛は南アルプス開拓の祖といわれ、多くの登山道を切り開き、南アルプスの素晴らしさを世に知らしめた人物で、長衛小屋の近くにはレリーフもあります。



山行メモ
北沢峠の北側のシラビソなどの樹林帯につづく登山道を進み、しばらく急登を続ける。森林限界を越えると小さな双児山の頂上に出る。ハイマツ帯の尾根をゆるやかに下って、登り返すと前衛の駒津峰に立つ、ここまでくると甲斐駒ヶ岳の山頂部が目の前に迫り、後ろを振り向くと仙丈がゆったり雄大にそびえ、その左に目を移すと北岳から間の岳がくっきりそびえ立っている。しばし時が経つのを忘れます。
尾根道をたどり、巨岩の六方石を過ぎると、直登コースと東面へ回り込む巻き込みコースが分岐する。巻き込みコースを選択して登ってゆくと、白く輝く花崗岩の岩肌がくっきり目に飛び込んで来る、そのまま岩盤や白砂の斜面を登ってゆくと甲斐駒ヶ岳の山頂に達する。南アルプスの長大な山並をはじめ八ヶ岳、北アルプスの壮大な眺望が堪能出来る。山頂には神社が祀られている。
下りは駒津峰まで来た道を戻り、そこから南のアサヨ峰、栗沢岳と結ぶ稜線を急下降して、摩利支点(まりしてん)を見上げる仙水峠に下り立つ。(途中摩利支点と甲斐駒ヶ岳が見渡せる絶景のポイントもありますのでお見逃しなく)、仙水峠からは西に進路を変えて北沢に沿ってくだり、仙水小屋、北沢長衛小屋を経て北沢峠に戻る。
-記・写真・山田 輝-

アクセス
[車]
・東京方面から南アルプス市国道52号線より芦安村-南アルプス林道-広河原、これより芦安村村営バスにて北沢峠へ35分
・名古屋方面からは中央高速道路で伊那IC下車-高遠城への案内看板通りに車を走らせ、高遠城を過ぎたら、国道152号線を南下。赤い橋の手前を左折して2km程走ると長谷バスの駐車場-これよりバスに乗り換え北沢峠へ
(駐車場には、ふとん完備の畳敷き休憩所・男女別更衣室がありますので、無料で前夜泊が可能です。)
お問い合せ
・伊那市観光協会 長谷支部0265-98-3130  ・南アルプス市役所商工観光課055-282-1111
・長谷バス営業所0265-98-2821 ・南アルプス芦安支所055-288-2111




信州の登山、トレッキング情報を中心に季節の花情報、行楽情報等の最新の情報を発信しております。

・季節の輝きを求めて
信州の季節が織りなす瞬間の美しさを画像にて一同に紹介し、楽しんでいただいております。


にぎわう夏の上高地河童橋付近
旅行中は免疫力も高まり、肌の老化や生活習慣病の予防の効果も期待出来る


仙流荘
甲斐駒ヶ岳やを目指す南アルプス林道をバスで運ぶ、長谷村営バスの出発点のすぐ近くにあり、宿泊、日帰り入浴等が出来る。男女別に大浴場とサウナ、眺めのいい露天風呂を備えている。

・山小屋施設
長衛荘0265-98-3130
北沢長衛小屋055-288-2111
大平山荘0265-78-3761
仙水小屋055-276-6293
馬の背ヒュッテ0265-98-2523

・周辺情報


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