北岳 南アルプスの主峰


美しいピラミダルの山容の北岳 ー間ノ岳山頂付近より 2009/8/4撮影ー
標高3192mの北岳は日本アルプスの最高峰であり、南アルプスの主峰でもあります、多くの登山家が古い時代から頂を目指して、登って来た山で、

そのピラミダルの山容は天を突くようにそびえ、その美しい姿は「平家物語」の中でも書かれております。

富士山に次いで日本で2番目に高い山として多くの人達に知られるようになっております。

近年では南アルプス林道が開通し、登山口の広河原まではバスで容易に行ける様になりました。

春の残雪期、夏の盛夏期、秋の紅葉時と季節を通じて多くの登山愛好家に親しまれ、山頂からの眺望も多くの名山を眺める事が出来ます。



所要時間

大樺沢右俣コースより
広河原ー(2時間20分)ー大樺沢二俣ー(2時間30分)ー小太郎尾根ー(40分)ー北岳肩ノ小屋ー(40分)ー北岳山頂 合計所要時間6時間10分(休憩時間含まず)

なお大樺沢二俣より八本歯のコルへは約2時間30分、八本歯のコルより北岳山頂へは約1時間。

大樺沢二俣より北岳山荘へは約4時間 (休憩時間含まず)


広河原山荘前にて出発の準備をする人達
北岳への出発地点、広河原の広河原山荘に前泊をして、早朝に出発。

休憩時間を入れると7時間から8時間の登りとなるため、朝まだ暗いうちから出発してゆく人達が多いです。

長い登りとなるため、ゆっくり速度で、体への負担を極力少なくして行きましょう。

広河原山荘のすぐ脇にある、北岳への登山口を出発してゆく登山者。

大樺沢は北岳の清流が流れ、水量も多く、豪快な水しぶきをあげて流れております。

そこから野呂川に流れ込んでいます。

出発してゆく登山者


豪快な清流の大樺沢

序盤の大樺沢登山道を行く

北岳は南アルプス林道が出来るまでは遠い山でした。多くの先駆者たちは何日もかけて命がけの冒険にも近い山行で、この山を目指して来たものと聞いております。

古くから知られていた北岳は、その美しい姿から多くの人を魅了してきた事と推察されます。


途中より北岳の山頂付近を望む

大樺沢登山道は登山口からは左岸コースを行き、途中大樺沢を横断し、右岸コースへとコース変更をします。
その後下の写真の仮橋を渡り、ふたたび左岸コースに戻ります。そのまま左岸コースを大樺沢二俣まで登って行きます。

(沢は上流からみて右が右岸コース、左が左岸コースと呼称します。下流から見る場合は逆になりますので注意)


右岸コースから左岸コースへ

左岸コースに戻り、二俣を目指す


視界が開け北岳の山頂部が顔を見せる (二俣の少し手前)


グンナイフウロ

シナノキンバイ

ハクサンフウロ


二俣手前の沢に出て来る、上部には雪渓も
北岳の雪渓部分に出て来る。
雪渓も大分上に上がり、

溶けているところから岩がむき出しに露出しており、


その中を雪渓の取り付きに向かって進む。

この辺りからは雪渓の冷たい風が吹いており、

汗をかいている体には心地よい快適涼風となる。


雪渓の上を二俣に向かう

大樺沢二俣に到着。

ここから右俣コースと八本歯のコル方面へと別れる。

右俣コースは草すべりからお花畑、ダケカンバの林を抜けて、小太郎尾根へ。

八本歯のコル方面へは雪渓を行き、途中から北岳山頂コースと北岳山荘コースに分かれる。

大樺沢二俣の道標


二俣で一息入れる登山者
標高2210mの大樺沢二俣で一息入れる登山者。

ここからは北岳の豪快なバットレスも望め、
雪渓の上を吹く風も涼しく、

標高2200mの眺望も楽しめる。


大樺沢二俣より北岳とバットレスを望む


八本歯のコル方面への雪渓を撮る
八本歯のコル方面への雪渓。

八本歯のコル方面へは雪渓の上をしばらく行きますので、アイゼンは必要です。

夏場では軽アイゼンでも充分ですので、必ず装備すると良いでしょう。

初心者の方、体力に自身のない方はこのコースを避けた方が無難です。

二俣にて休む人、行く人

これから本格的な登りとなるため、ここで水分、軽食の補給など行う。

仮設のトイレもありますので、必要な方は利用すると良いでしょう。

二俣にて休む人、行く人


右俣コースに入り、登る人たち

北岳肩ノ小屋の岩の道標

右俣コースに入り、ここから正念場の登りに入る。

小太郎尾根までは標高差640m、約2時間30分くらいの急な登りとなります。

じっくり、地に足を付けて、確実にゆっくり登って行って下さい。

尾根に出ても充分体力が残っている歩き方を。

右俣コースを行く


右俣コースの途中より北岳のバットレスを望む


お花畑を行く登山者
右俣コースの中盤にはシナノキンバイなどが咲き乱れる、お花畑が見られます。

疲れて来た体に一服の清涼感が楽しめ、しばし登りの疲れを忘れさせてくれます。


夏の朝日に輝くシナノキンバイが咲き乱れる右俣コースのお花畑

北岳への登山道には多くの高山植物が見られます。

特に小太郎尾根や北岳直下の岩場、また北岳山荘へ向かう途中の岩場などいろいろなところで、貴重な高山植物を見る事が出来ます。

3000mの高山に可憐にたくましく咲く様は、命のたくましさと色彩の鮮やかさにいつも感動をしてしまいます。

北岳でも多くの高山植物に感動をいただきました。

お花畑よりバットレスを望む


ダケカンバの林の中へ
お花畑を過ぎ、ダケカンバの林に入る登山者。

しばし眺望が少ないダケカンバの林の登山道を行きます。

ここをクリヤーすると、小太郎尾根に出ます。
あとひとがんばりの登りです。

標高2850mの小太郎尾根に到着。

尾根に出たとたんに仙丈ヶ岳の勇姿が目の前に飛び込んで来ます。


右手にはアサヨ峰の奥に甲斐駒ケ岳がそびえる。

ここまで来れば肩ノ小屋までは、もう着いたようなものです。

小太郎尾根の道標


どっしりと腰をすえ、勇壮な山容の仙丈ヶ岳を望む
標高3033mの仙丈ヶ岳は薮沢カール、大仙丈カール、小仙丈カールと3つのカールを持ち、

美しい山容から「南アルプスの女王」と呼ばれています。

また学術的にも貴重な自然地形を残しており、

地域では世界遺産にと取り組みも始まっている。

ガスが上がり始めた肩の小屋への登山道を望む、

この周辺には貴重な高山植物が生息しており、

特に6月下旬から7月初旬に咲くキタダケソウはここだけしか見られず、

貴重な高山植物といえます。

そのほかにも貴重な高山植物が多く見受けられます。

北岳山頂、肩の小屋方面を望む


北岳、肩ノ小屋への道標

肩ノ小屋への最後の岩場


ミヤマダイコンソウ

イワツメグサ

ミヤマウツボグサ

北岳肩ノ小屋に到着。

北岳山頂部を望み、手前にテント場のテントが望め、北岳肩の小屋に到着。


標高3000mに位置する北岳肩の小屋は北岳登山の重要な山小屋として存在し、

その眺望もまたすばらしい自然の光景を見せてくれる。


北岳の肩指標

北岳肩ノ小屋前でくつろぐ登山者

肩ノ小屋より北岳山頂部を望む。

ガスが上がり始めた北岳山頂部。
肩の小屋からは約40分の登りで山頂へ。


キタダケウツボグサ

ハクサンイチゲ

コイワカガミ


北岳山頂直下のお花畑


北岳山頂部を望む
2009年8月3日、快晴の登山日和りに恵まれ、北岳山頂に到着する事が出来ました。

豪快な北岳の眺望と標高差1700mの登り、そして多くの高山植物を愛でながらの北岳登山取材は天候ににも感謝し、
またいろいろな方達にも現地での情報を頂き、ここに情報発信を出来るに至りました。

これから北岳に挑戦する方へ少しでも参考になれば幸いです。

記・写真 山田 輝


北岳山頂指標

北岳山頂にて同行者の右山田雄一君と

2009年8月3日午後12時40分頃山頂に到着しましたが、あいにくガスが上がって来て、視界がきかず、大パノラマの撮影が出来ませんでしたので、

翌日山頂付近にて撮影をした画像を下記に掲載いたしました。


早朝の富士山を望む


仙丈ヶ岳から遠くに乗鞍岳と北アルプス槍・穂高方面を望む


鳳凰三山を望む


アクセス
長野県側より
伊那市長谷 戸台口よりバスー(1時間)ー北沢峠ー(25分)ー広河原

山梨県側より
南アルプス市 芦安よりバスー(1時間)ー広河原
お問い合せ
伊那市長谷支所産業課 0265-98-3130
広河原山荘 090-2677-0828
伊那市長谷バス営業所 0265-98-2821
北岳肩の小屋 090-4606-0068
北岳山荘 090-4529-4947
南アルプス市芦安支所 055-288-2111
農鳥小屋 090-5398-3320
南アルプス市営バス 055-282-2016
大門沢小屋 090-7635-4244





タカネウツボグサ

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