戸隠 |
信州を代表する霧下そばの産地、竹の丸ざるに「ぼっち盛り」という馬蹄形の盛り付けが戸隠ならではの特徴的な盛り。 |
柏原 |
一茶の句に「信濃では月と仏とおらが蕎麦」と詠まれた句がありますがその一茶のふるさとが信濃町柏原です。
黒姫山の麓、戸隠の北東に位置し霧下ソバの産地。柏原流というそば打ちがあるほど蕎麦とは切っても切れない土地柄。 |
飯山 |
「オヤマボクチ」というモリアザミ科の野生植物の繊維をつなぎにした「富倉そば」が名物、腰がしっかりしているわりにはつるつるした咽越しが特徴。 |
更科 |
東京では「更科ソバ」といえば信州に由来するが、信州では麻績村から更埴周辺を指す「更科」という地域ではあまり蕎麦は栽培されていなかった。
それが江戸時代、信州の名物になっていたソバとこれまた「姥捨物語」の中で当時信州のイメージとして有名だった「更科の名月」とが結びついて「更科そば」という名で全国に知られるようになった。 |
美麻 |
安曇野の北側に位置する大町市から山間部を登った所にある山村の美麻。古くは大麻の産地であったこの地域では、大麻の裏作として蕎麦が大量に栽培され、日常的に食されてきた。
現在では、新行地区の数店で「新行そば」として提供してくれる。新行ソバは蕎麦を延ばすとき麺棒を叩きながら延ばすので、こしが強い麺となる。 |
番所 |
上高地にも近い乗鞍高原の番所地区は標高も1500mと高く冷涼であるため質の高い「霧下そば」が栽培される。
信州でも古くから家庭で日常的に蕎麦が食されてきた土地柄である。現在でも店の数こそ少ないが本場のどっしりした蕎麦が味わえる。 |
奈川 |
飛騨と信州を繋ぐ野麦峠が有名な奈川では「投じそば」と呼ばれるそば料理が名物。
柄の長い投じ篭を使って小分けにした蕎麦をあたため、汁と具と共に椀によそって食べる蕎麦、鶏肉やネギダイコン、にんじん、キノコなど具沢山の贅沢そば。 |
開田 |
番所と並んで高地で栽培され上質の「霧下そば」が収穫される蕎麦の里開田高原。木曽地方には「スンキ漬け」と漬け物があり(これは野沢菜や木曾葉などの葉茎を塩を使わず乳酸菌発酵させ保存したもの)
「スンキソバ」はこの乳酸菌による酸味の強い「スンキ漬け」を細かく刻み、かけそばやもりそばのつゆに入れたもの、シャキッとした歯ごたえで美味。塩を一切使用していないため、健康食としても注目されています。 |
伊那 |
約1300年前、この地を修行で訪れた修験者が世話になった地元の人達に蕎麦の種を残していったのが蕎麦栽培の始まりで、
「行者そば」はその蕎麦を大根のしぼり汁に焼き味噌を溶いたつゆで食べるのが特徴で伊那市内の萱地方の伝統的そば。近年また復活。 |
そばの旬 |
そばが一番うまいのはなんといっても新そばが出回る11月下旬くらい、この時分のそばは緑がかって香りがよく、みずみずしい甘味があって絶品です。
信州のそばはいつ食べてもおいしいものですが、11月下旬から3月くらいのまでのものが特に良い。「新そば入荷しました」の張り紙を見たらすぐお店に入りましょう |
そば粉の割合 |
そば粉は100%だけでは麺状に打ちにくく、小麦粉や山芋などを加えまとまりやすくします。これを「つなぎ」といいます。
そば粉とつなぎの割合によって十割そば、とか二八そばとか外ニそばとか呼ばれています。打ち方にもよりますが、そば粉の他に小麦粉をつなぎにつかったそばはツルッと咽越しが良く食べやすいのが特徴。
ちなみにソバ処である戸隠は、以前「外五」と呼ばれるそば7割、小麦粉3割の比率が特徴だったようですが、現在は8:2の二八そばが主流だそうです。つなぎなしの十割そばは香りも強く、食感がしっかりしているのでこだわる人も多い。 |
そば挽き |
そばには黒いそば、白いそばといろいろあります。これは製粉の仕方に違いがあります。そば粉には玄そば(殻付きのそばの実)を挽く順番で「さらしな」「一番粉」「二番粉」「末粉」があり、最後になるほど挽きつめた繊維が多く香りが強いものになります。
色もこの順番で黒くなります。「一番粉」「二番粉」にこだわれば「一番粉」はほのかな甘みがあり、「二番粉」は香りと歯ごたえが楽しめます。 |
そばの旨い食べ方ーその1 |
そばは季節によって味が微妙に変わりますので、純粋に味わうならまずは付け汁や薬味を付けずに味わいたい。
まずはせいろを手に取りそばの香りを楽しみます。そして何も付けずに一筋すすり甘みを感じ、次はワサビをちょっと付けて楽しむ。
そのあとは一気に食べてください。五感を駆使して香り、甘み、コシなど享受したいソバの味。 |
そばの旨い食べ方ーその2 |
江戸っ子はつゆにそばをどっぷり浸けるのは野暮といいますが、信州人もそこらへんはちょっとこだわっています。
そば猪口とつゆ入れが別々に来る店では、そば猪口の底に1cm位の量のつゆを入れてそばを浸けると、麺と汁が程良くからまっていい具合です。
少なくなったら少しずつ足しながら味わいましょう。 |
そばの旨い食べ方ーその3 |
信州はそば処とあって薬味にもうまいものがたくさんあります。代表的なものでワサビがあります。
安曇野産の生ワサビを使っている店がいいですね。ワサビ芋をそのまま出してくれる店で自分で擦るのもうれしいものです。
また好みによっては善光寺名物の七味をいれてもいいでしょう。
大根おろしも信州そばには欠かせません戸隠の「戸隠大根」や坂城町特産の「ねずみ大根」は辛味も強くおすすめの薬味です。
また七味やネギは香りが強く、そばの香りを邪魔をするので、最初からは使わない方がいいでしょう。
中盤まで食べ進んだらアクセントとして使ってみては。 |
そばの旨い食べ方ーその4 |
信州のそば屋ではその土地その土地でそば以外でそば粉を使ったいろいろな副食がありますのでそれも楽しんで満喫してみよう。
たとえば「そばがき」「そばだんご」「そばまんじゅう」「そば薄焼き」また「そば茶」もこうばしい香りが美味です。 |
そばの旨い食べ方ーその5 |
そばを召し上がった後そば湯が出てきますが、これは必ず飲みましょう。
そば湯にはそばを茹でた時にそばに含まれるビタミンが溶け出しているので健康的にも良い飲み物です。 |
そばの旨い食べ方ーその6 |
信州では宴席の締めにそばがよく出されたりします。
食べたり飲んだりしたあとに、冷たいそばをすするのは、胃にもたれずスッキリします。
さらにからみ大根などが添えてあれば消化にもよく絶品の料理と言える。 |