山さんの 快適トレッキングのすすめ 基礎知識編 1-2


・3 安全な歩行の基本技術 ・4 快適登山のマメ知識

【3 安全な歩行の基礎技術】
山行は必要な荷物を背負って、様々に変化する地形を歩き、長い時間と様々な気温、気候の変化を受け止めて歩くため体力と知力の消耗が激しいスポーツです。若い時に比べて体力の衰えが始まる40台後半からは、今後も健康と自然を楽しむ山歩きを続けて行くために、いかに疲れにくく、安全に、バランス良く歩くかが大切になって来ます。そんなポイントを習得して、いつまでも楽しい山歩きを堪能してください。

その1
 
登る前にはかならずストレッチ体操をして体をほぐしてから出発しましょう。

その2
 
かかとを安定した場所に置き、靴底をできるだけ水平になるよう足場を選ぶ。
(登りでは主にふくらはぎの筋肉を使い、下りでは大腿四頭筋に負担がかかりますこれを和らげる方法)

その3
 
歩幅を小さく、足の運びを垂直になるよう足場を選びながら歩く。

その4
 
急な登り、下りは少し足を開いて、体も左右にシフトしながら歩くと足の運びは随分楽になります。

その5
 
大きな石がごろごろ露出した登山道では出来るだけ体の上下動のない足の運びに気を使う。(石の上ならずっと石のトップを歩き、石を跨ぐ足運びならばそのままの歩き方で)

その6
 
歩行は自分のペースを守って、リズム感のある歩行を心掛けましょう。(リズム感のある歩行は心肺機能への負担を軽減させてくれます)

その7
 
最初の休憩までにその日の自分のコンディションにあったペースをつかみましょう。(最初は出来るだけゆっくり目で歩くと自然にその日のペースの歩きになってきます)

その8
 
着衣の調整もこまめに行いましょう。

その9
 
ストックは歩行の安定、リズム、推進力になりますので積極的に使いましょう。

その10
 
登りはゆっくり、下りは丁寧に歩くのが疲れの少ない歩き方の基本の基本と云われています。


【4 快適登山のマメ知識】
山を歩く事はディスクもたくさんありますので、いかに自分の体力、知力を温存しながら歩くか、これも快適登山をするための大切な知識です、これを自然に、着実に実行して快適な山歩きを楽しんで下さい。

・上手な水分のとり方
 
疲労は水不足からと云われます。運動量の多い登山は大量の水分を失います。たくさんの汗とそれ 以外に体から出て行く水分としては、最大のものは呼吸で失っています。山での遭難や事故の多くは疲労が要因です。その疲労は水分不足からきている事が多いです。脱水症状はだるさ、頭痛、吐き気、などの症状を引き起こし、ひどくなると熱中症や尿毒症、循環器系にも障害がでます。
・水分は一度に大量に飲まず、少しずつ回数を増やして摂取する。(休憩ごとに早め早めに摂取するのがコツ、喉が乾いてから飲むのでは身体の調整機能が間に合わない、その際果物や甘いものを取るのもベター、サラサラな血液の循環は疲労を防ぐ)
また自分のオリジナルの特製ドリンクなども疲労回復のいいアイディアです。

・呼吸法
 
登山は長時間にわたり筋肉を使い続けるスポーツです、筋力を長もちさせるにはたくさんの酸素が必要です。その酸素をしっかり体内に取り込むコツはしっかり吐くことにあります。しっかり吐けばあとは自然に酸素が入ってくるのです。

・休憩の取り方
 
人間の身体は負担と休養という一定のリズムを作る事によって筋力を長もちさせ、精神もリラック スします。上手な休憩の取り方は一定の間隔で休憩を取る事です。少し行っては休み少し行っては休みの方法は一番疲れやすいです。身体がきつい時はペースを落として歩きましょう。
時間的には最初は30分歩いて5分の休憩、そのあとは1時間歩いて10分の休憩がリズミカルに疲れを残さないで歩く上手な歩き方と言えます。この休憩の時に水分や食べ物の補給、軽いストレッチをすることで疲労の回復に効果的です。

・バテない食事のとり方
 
安全で快適な登山は余裕のある体力から生まれます。体力の維持は栄養の補給とその取り方にあります。
・休憩時には必ず水分やエネルギーの補給をしましょう。
・朝食は行動前に必ず取りましょう(炭水化物は体力の基礎となる大切な栄養 源です)
 空腹のまま行動前にあめなどの糖分はとってはいけません、血糖値が急に上がり、その後急に下がるので運動能力が阻害されます。糖分は筋力保持には大切な要素ですから、行動中に補給するとい いです。
・また行動中でもエネルギーの補給をしながら歩くことも必要です。
・行動食を用意しましょう。
朝食、昼食、夕食と基本的な食事タイムでエネルギーの補給はしていますが、それ以外にその合間や休憩時にエネルギーの補給として、くだもの、チョコレート、チーズ、ハム、ベーコン、パン、など用意をするといいでしょう。(註:買い過ぎてザックの重荷の負担にならないように)

・ザックとパッキングで疲労軽減
 
ザックは登山装備の中でも大変重要な物です。肩と背中に良く馴染むザックは疲れを軽減して、担荷力も増します。またザックのベルトの調整も負担力を軽減出来ますのでご自分にフイットするベルトの調整をしましょう。
・パッキングのポイントは重心を上部に置く事です。
(衣類などの軽いものは底の方へ入れて、食料、行動食、水筒などはすぐ取りだせる上部やサイドポケットに入れます。)
・中高年にとって荷の重いのは大きな負担です。1グラムでも荷を軽くする工夫をいつも考えてみましょう。快適登山のザックの重さは6kg以内がベストです。

・ストックで快適歩行
 
ストックは歩行のバランスと推進力、リズムをとるのには有効な用具です。1本のみの使用のシングルと2本使用のダブルの使用方法がありますが、これはご自分で体験をしてご自分が使いやすい方を選んで快適歩行に役立てて下さい。



クルマユリ

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