山さんの 快適トレッキングのすすめ  基礎知識編 4-1


1 山の樹木、山野草、高山植物の知識
2 山小屋の上手な利用法

【1 山の樹木、山野草、高山植物の知識】
山に登る楽しみの一つに山野草や高山植物を見付け、鑑賞することは、疲れた体に新鮮なよろこびと感動を与える。その貴重な花が何という名前でどのような植物か知っていたら、喜びはなおいっそう高まるでしょう。その中でとくに人気があり、親しみやすく、感動をおぼえる花をご紹介いたします。

・ 標高1500m以下に咲いている山野草と低木の花
 
エンレイソウ、ツクバネソウ、マイズルソウ、チゴユリ、ミズバショウ、リュウキンカ、ミツガシ ワ、ナルコユリ、アマドコロ、ホウチャクソウ、ニリンソウ、カタクリ、ヤマハハコ、アズマギ  ク、ヒトリシズカ、フタリシズカ、イカリソウ、ショウジョウバカマ、アズマイチゲ、ウメバチソ ウ、シラヒゲソウ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、ニッコウキスゲ、ホタルブクロ、キキョウ、 マツムシソウ、クガイソウ、ジャコウソウ、オカトラノオ、アケボノソウ、コケモモ、イチヤクソウ、ヤナギラン、ツリフネソウ他

・ 標高1500m以上に咲いている高山植物
 
チングルマ、ハクサンフウロウ、コイワカガミ、タテヤマリンドウ、チシマギキョウ、ヨツバシオガマ、コウスユキソウ、ハクサンチドリ、イワイチョウ、イワウチワ、イワベンケイ、タケシマラン、キンロバイ、ミヤマオダマキ、ハクサンシャクナゲ、タカネナデシコ、ミヤマアズマギク、ハクサンシャジン、ダイモンジソウ、コマクサ、シラネアオイ、キヌガサソウ、ツバメオモト、サン カヨウ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、ミヤマクロユリ、クルマユリ、ウ サギギク、ミヤマリンドウ、ウルップソウ、ツガザクラ、イブキジャコウソウ、コバイケソウ、マツムシソウ、レンゲツツジ、ミツバツツジ、ムラサキヤシオツツジ、ハクサンコザクラ他


シナノキンバイ

イワギキョウ

【2 山小屋の上手な利用法】
山小屋は、登山口やコース中に位置して、山歩きの貴重な拠点となる宿泊施設です。また山小屋にも立地や運営によっていくつかの形態があり、山小屋ごとに特徴や個性を持っています。まず山小屋の形態や開設期間、立地による利用のコツについて、知っておきましょう。

・山小屋の形態
 
山小屋の形態については大別すると、管理者が常駐する営業山小屋と無人の避難小屋とがあります。登山者が一般的に利用するのは、食事の提供や寝具の備えがある営業山小屋です。宿泊料を支払って泊まります。また前もって予約をしてから利用するようにしましょう。(山小屋は基本的には予約なしでも泊れることになっているが、近年山小屋によってはこの原則が崩れつつあります。)避難小屋は天候の急変や登山者の何らかのアクシデントが生じた場合に避難場所となる無人の山小屋です。多くは5人から10人程度とまれる規模です、寝具などの備え付けはなく、雨、風をしのぐ最小限の施設ですが、もしもの時は心強い存在です。

・開設期間と立地
 
山小屋の開設時期は立地や運営方針によりそれぞれ異なり、1年を通じて利用可能な通年営業をはじめ、期間を定めて開設する季節営業、週末やピークシーズンのみの営業があります。また通年営 業でも、平日やオフシーズンは、予約がある場合に限り開設するというケースもあります。このよ うに山小屋の開設期間はさまざまで、計画時には予約をかねて、利用予定の山小屋の開設期間を確認することが必要になります。

・山小屋の設備
 
山中に位置する山小屋は、登山者が宿泊に利用出来る必要最小限の設備を持つ宿泊施設。山麓の旅館や民宿に比べてとても簡素です。洗面や浴室の設備がないのが普通で寝室は広間の相部屋(他人の人と一緒)が基本です。

・部屋
 
部屋のタイプは山小屋によってさまざまです。畳の和室の部屋もあれば、大きな板張りの部屋もあり、ウナギの寝床ような細長い部屋も、スキーヤーズベットのような2段ベットの部屋もあり、また部屋の広さも千差万別です。そして相部屋となるのが普通です。大きな山小屋では個室を設けている所もありますが、混雑時は利用は無理、また個室は料金も通常料金の4000円アップぐらいの所が多い。また通常でも1畳に2人は基本、混雑時は3人てこともありますので、頭に入れておいた方がショックは少なくなります。

・お風呂、洗面、トイレ
 
お風呂はほとんどの山小屋が設置されていませんのでお風呂は入れないと思って下さい。若干温泉の出る山小屋もありますがこれは例外です。洗面所はある所もあれば、ない所もあり山小屋によってまちまちです。トイレは設置されていますが、簡素で、数も少ないので、時間をずらして使用するようにしたほうが落ち着いて用がたせます。また夜間消灯後に利用する時はヘッドランプを枕元に置いておくと良いでしょう。

・食事
 
山小屋の食事は以前に比べて大分良くなって来ており、品数も多くなり、レトルトやインスタントを使わずに、きちんと調理したものを暖かい内に出してくれる山小屋も出て来ております。しかし依然夜はカレー、朝はごはんに味噌汁、つけものといった定番の山小屋も数多くありますので、雑誌などで食事が人気の山小屋の情報などが出ておりますので事前にチェックしておきましょう。また原則的に山小屋ではごはんと味噌汁はお代わりは自由です。また翌日のお昼のお弁当は前日に注文しておけば用意してもらえす。

・乾燥室、談話室、喫茶コーナー
 
乾燥室は大きな山小屋ではありますが、小さな山小屋ではない事もありますので、最小限の着替えは用意して行きましょう。また乾燥室は雨具と靴は持ち込みを禁止している所もあります。食堂とは別に談話室をもうけているところもありますので、登山者同志の交流や情報交換の場として利用しましょう。また山小屋によっては喫茶コーナーを設けているところもありコーヒーに紅茶やケーキ、軽食、アルコール類もあり、楽しい山小屋でのひとときをすごせます。終了時間を厳守して、くれぐれも飲み過ぎに注意をしましょう。

・フロント、売店
 
山小屋でのこまかい不明なことはフロントにて聞きましょう、また売店も近くにある事が多いので記念品のバッチやフイルム、飲料などが購入出来る。


ハクサンイチゲ

ハクサンフウロ

・山小屋への到着から出発まで
 
・山小屋への到着は稜線や頂上では午後3時頃までには着くようにしましょう。中腹の山小屋には午後4時頃までに着くように行程を考えましょう。チェックインの際会計を済ませ明日の昼食の予約や、施設のルールや夕食の時間、朝食の時間、消灯の時間等聞いて置きましょう。登山靴は指定されたところに置きましょう。その際自分の靴に印や名札をつけて間違わないようにしましょう。また同室となった人達とはあいさつは必ずかわすようにしましょう。

・着替えや翌日のための荷物の整理は到着後夕食の時間までに済ませておくとよりリラックス出来ます。歯磨きなどは自分の水筒の水だけでブラッシングしましょう。山では自然保護のために歯磨き粉やせっけんを使わない事が常識です。明日の飲料水の補給も早めに済まして置きましょう。水も有料の山小屋があります。

・夕食は午後5時頃から決められた時間に食堂でとります。混雑具合で2回転、3回転目という具合で食事 がこなされて行きます。夕食後は消灯の時間まで思い思いに過ごして下さい。明日の行程のプランを確認したり、星を眺めたり、お酒を飲んだり山小屋でのひとときを楽しんで下さい。
・消灯の時間は山小屋ごとに違いますので確認をしておいて下さい。大体8時から9時頃です。消灯後は発電機が止まりますので、トイレなどのためにヘッドランプは枕元に置いて下さい。使用する際は就寝している人を照らさないように気を配りましょう。

・起床、朝食
起床はほぼ日の出の時刻です。山での朝はすがすがしく、展望に恵まれた山小屋なら荘厳な日の出が楽しみです。
朝食は午前5時から6時頃、朝食をお弁当に振り返る所もあります。朝食前の出発の際は前夜のうちに準備を済ませておき、静かな出発を心掛けましょう。
朝食が済むと、さっそく出発の準備にかかります。遅くとも7時までには目的地に向かって全員出発して行きます。もし朝から悪天候の場合はしばらく様子を見たり、予定を変更したり、下山することもありす。山小屋のアドバイスに耳を傾けるといいでしょう。



コイワカガミ

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