地形を表わす山の用語 |
地図に慣れ親しんでくるとさなざまに変化の富んだ山の地形が地図から読み取れるようになって来ます。単に尾根や谷といっても、地形図の等高線をよく観察してみると、実に複雑に入り組んでいる様子が解ります。登山では山の複雑な地形の中でも特徴的な部分を見い出し、呼び名を与えて来ました。いくつかを紹介いたしますのでガイドブックや山の雑誌、地図などを見る際に役だててください。 |
登山口 |
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登山コースの起点。登山口はコースの終点でもあり、入山口(にゅうざんぐち)、下山口(げざんぐち)という呼び方もします。 |
谷 |
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尾根にはさまれた山の深み、山岳地では谷の水流を沢(さわ)と呼びます。また沢の本流を本谷、支流を支(枝)沢と区別することもある。さらに沢が2本に枝分かれする地点を二股(俣)といいます。下流から見て右に分かれた沢を右股(俣)、左を左股(俣)と呼んでいる。 |
尾根 |
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谷と谷を分ける山の高み、山頂から山麓にかけて延びている。山の名前と同様に名前の付いている尾根も多い。 |
山頂 |
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山の頂上、ピーク。山頂部ともいう場合は頂上一帯(周辺)をさす。複数のピークからなる山もある。その場合、山名はそれらのピークの総称であることが多い。また山の姿を山容といい、勇ましいとか穏やかとか、その印象をよく表現する。 |
支(枝)尾根 |
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山頂から連なる尾根に対して、尾根の途中から枝分かれするように延びる尾根を特に支(枝)尾根と呼ぶ、逆に支尾根に対して、主尾根、主稜といった呼び方もある。 |
巻き道 |
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尾根上にある小さなピークなどの、ピークへ登らず、直下を水平に横切っていくような道。この場合は
「小ピークを巻き、山腹をトラバースしていく」といった表現をする。岩場や滝などの難所を迂回する巻き道もある。巻き道に対して岩場などを登る道を直登(ちょくとう)コースと呼び分けることもある。 |
取り付き |
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登山口からしばらく平坦な道を歩き、尾根伝いの本格的な登りが始まる地点で「尾根に取り付く」と表現し、その地点を取り付き(点)と呼んでいる。また「岩場に取り付く」、「雪渓の取り付き」、など尾根以外の地形に対しても使う。 |
出会(であい) |
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沢の支流が本流(谷)に注ぐ地点が出会。沢だけでなく、登山道が交わる地点や、登山道から林道に出る地点などでも使う。「林道に出る」 |
右岸、左岸(うがん、さがん) |
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沢の岸の呼び方で、上流から下流を見て右の岸を右岸、左の岸を左岸という。沢に沿って下流から上流に登っている時は、向かって右が左岸、左が右岸となる。 |
双耳峰(そうじほう) |
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2つのピークからなる山で、ピークを耳にみたててこの呼び名がある。また2つのピークの間で弧をえがく稜線を吊り尾根といい、山域によっては固有の地名になっている。説明のうえで2つのピークを持つ場合、高いほうのピークを最高点と表現をすることがあるが、主峰、最高峰という場合はその山の属する山域(山脈、山塊)のうちでもっとも高いピークをさす事が多い。 |
稜線(りょうせん) |
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尾根とほぼ同じ地形だが、とくにピーク、ピークを結ぶ線を稜線という。稜線をたどり、複数のピークを踏破してゆく縦走は、代表的な登山形態の一つです。また岩が露出して、けわしい急な稜線を岩綾(がんりょう)といい、けわしい稜線の名前には、歯、刃、鎌などの文字が付いている。 |
鞍部(あんぶ、コル) |
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尾根(稜線)上の一番低くなった(くぼんだ)部分。低山の里山では日常的には峠(とうげ)といった方がわかりやすいですが、登山では鞍部とまたはコルと呼ぶ事が多い。鞍部とは馬の鞍に見立てた名称。また峠と同様の意味で乗越(のっこし)の地名もある。 |
キレット |
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漢字にあてると切戸。尾根(稜線)上のとくに切り立った鞍部の呼び名で、固有の地名になっている場所もある。北アルプスの剣岳周辺では同様の場所を窓(まど)という。 |
頭(あたま、かしら) |
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沢などの源頭にあたる、尾根上の突起物をさす。 |
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キンポウゲ |
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基礎知識 3-1
・簡単な地図の見方とコンパスの使い方
・登山道の地形の名称、コース標示の知識 |
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基礎知識 4-2
・山へ携帯する医薬品と予備の小物と装備品
・楽しい登山への自己管理と自己認識について |
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