一般的には紅葉は、落葉樹が、気温の低下や霜などにより、越冬のための準備に入り、そのために根からの水分の吸収を絶つ事によりに始まります。
そのために葉に養分が行かなくなり、葉緑素の中にある緑色の色素クロロフィルが壊れ始め、葉から緑色が消えていきます。
この現象を離層(りそう)と呼びます。
根から養分が行かなくなる事により、今まで目立たなかったカロチノイドという黄色い色素が浮き出して見えるようになります。
これが黄色系の紅葉の形成の原理となります。
また一方、離層(りそう)する時に、葉の中に光合成で蓄えられた糖分が残り、アントシアニンという赤い色素が細胞内に広がると、赤色などの紅葉になります。
紅葉する木でもアントシアニンの足りない葉は、橙、黄、茶というように様々な色が形成されます。
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美しい紅葉になるには、温度,光,湿度の三つの条件が必要となります。
1、温度は最低気温が10度以下になること。
2、昼夜の温度差が大きいほど良いとされます。
3、空気が澄んでいて、光が良く差し込み、葉が太陽の光を充分に受けられる事。
4、適度な降雨があり必要湿度が得られる事。
これらの環境条件が揃いますと美しく紅葉になります。
特に信州の山岳や高原での紅葉が美しいのは、これらの条件が満たされるからです。
しかし、最近は温暖化に寄る異常気象で、毎年変わる気象状況に紅葉も翻弄される事が予想され、
美しい信州の紅葉がいつまでも続くよう自然環境について学ぶことも必要でしょう
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日本の紅葉前線は北海道の大雪山系の山々から始まります。
9月始めには色付き始め、次第に本州へも寒さの南下とともに紅葉前線が下って来ます。
本州においては3000m級の山々がいち早く9月の下旬頃から紅葉が始まり、次第に里へと駆け足で紅葉前線が舞い降りて来ます。
本州においては高山から始まった紅葉前線は10月中旬には高山は雪の世界となり、燃え尽きた紅葉は終わりを告げ、
里へと紅葉前線は伸び、11月下旬または12月上旬まで紅葉が見られる地域があります。
四季のはっきりした日本では、このように秋には紅葉が見られ、季節感を五感を通じて体感出来る事が出来ます。
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